はじめに
「現金及び預金」勘定は、企業が日々の事業活動をするため根本を成す勘定科目です。この記事では、実際の経理業務を通して、「現金及び預金」勘定の会計処理についての基本を解説します。
「現金及び預金」勘定の基本
「現金及び預金」勘定は、「現金」、「預金」にはそれぞれ以下のもの含まれています。
イメージとしては、現金または即時の現金化が可能なものが「現金及び預金」勘定の範疇となります。
🔸「現金」:小口現金、手元にある当座小切手、送金小切手、送金為替手形、預金手形、郵便為替証書及び振替貯金払出証書等
🔸「預金」:金融機関に対する預金、貯金及び掛金、郵便貯金並びに郵便振替貯金
(財規ガイドライン15-1①②)
「現金及び預金」勘定は、貸借対照表上の「流動資産」に計上します。
※定期預金の内、満期日まで1年を超える長期性預金は「投資その他の資産」に計上します。
(参考)経理担当者の記帳イメージ
- ① 経理担当者は、前日の現金取引を確認し、必要な仕訳を行います。例えば、前日に100,000円の現金売上があった場合、以下のように記録されます。
借方: 現金 100,000円/貸方:売上 100,000円 - ② 仕入れや経費の支払いを現金で行う場合、現金勘定からの出金を仕訳します。例えば、50,000円の仕入れの場合、以下のように記録されます。
借方: 仕入 50,000円/貸方:現金 50,000円 - ③ 売上金を銀行に預ける際は、現金勘定から預金勘定への移動を記録します。例えば、200,000円を銀行に預けた場合:
借方: 預金 200,000円/貸方: 現金 200,000円
※実務では、現金と預金を別々で記帳・管理し、決算書等の報告書において「現金および預金」過勘定として合算した金額を表示する場合がほとんどです。
また、実務では補助科目別に勘定科目を管理しているため、同勘定科目でも補助科目が異なれば仕訳を記帳します。
(例)銀行口座から別の銀行口座への振替 預金(A銀行)xx/預金(B銀行)xx
経理のポイント
- 正確な記録: 現預金勘定の正確な記録は、企業の財務状況を正しく反映するために不可欠です。
- 流動性の管理: 現預金勘定は、企業の流動性を管理する上で重要な指標です。
- リスク管理: 適切な現預金の維持は、財務リスクを管理し、安定した運営を支えます。
結論
現預金勘定は、日々の経理業務の中心であり、企業の財務健全性の保持に欠かせない役割を果たします。この記事が、現預金勘定の基本と実務への理解を深める助けになれば幸いです。
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